警部の顔には芝居

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 警部の顔には芝居がかった雰囲気は無かった。だが、それだけで俺の疑惑を消すほどの理由ではない。……ちょっと待てよ、一樹の口からは『匂い』という単語が聞かれた。『匂い』とは何だ? 確か、それを最初に聞いた時に『俺みたいな人間は大勢いるよ』と俺に言った記憶が残っている。つまり一樹は『お前の近くに自分と同じタイプの人間がいるよ』と言いたかった、と考えるべきだろう。

 つまり、その時には俺の周りにはその大下が居た。と考えるべきだろう。となるとやはり警部。そうだイニシャルがT・K、いや、イニシャルはT・Yの可能性も有る。Yとは、や、ゆ、よ……。あっ、そうか、山下だ。新聞記者の山下が居る。彼のフルネームは、山下達男。

 そうなると俺の周りに怪しい人物は三人居る。まずは一樹に取り憑いている船長だ。彼の可能性が消えた訳ではない。それと木下警部に新聞記者の山下だ。この中で大下という偽名を使った人物は誰だろう? 可能性が大きいのは木下警部。続けて記者の山下だ。考えても分からない。少し話しの流れを転換してみよう。

 そうだ、俺が襲われた時、俺は後ろから誰か押された。あの時俺にはそんな感触が有った。その感触は今も残っている。あの時俺を押した誰かの力。あれは霊が持つ力、そんな感じだった。それは田辺千夏か? いや女の力ではなかった様な気がする。

 いやその前に霊の力がどれだけ在るのか、俺は知らない。それに、その力が一人の力とは限らない。その良い例が一樹だ。彼には二人の霊が宿っていた。上田修二と、もう一人女性の霊。……そうか、俺が襲われた時に、背中を押して助けたのは上田修二船長だ、元々船長はに続く。

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助平なお-文章作成|イメージ画像