携帯電話

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――『携帯電話』――

 午後十時。俺は自分の部屋に戻りシャワーを浴びていた。夏とはいえ、長いこと雨に濡れていると、想像した以上に身体が冷えているようだ。その冷え切った自分の身体に当たる、温かく連続した水の粒が、柔らかな身体にほぐして行く気がする。その刺激が俺の頭に柔軟な考えが浮かぶようで、心地良く感じられた。

 こんな風に落ち着いてシャワーを浴びたのも久し振りだ。そう思いながらシャワーの蛇口を捻り、バスルームを後にした。髪から滴り落ちる水滴をバスタオルで拭き、自分の肩にそのバスタオルをかけた。何時もの癖でシャワーを浴びた後は鏡を見る。

 そういえば、俺が鏡を見ると不思議な現象がいつも起こる。いや、いつもではない。言い換えると、不思議な現象が起きるのは、鏡を見た時に限っている、それはどうしてだろうか。この鏡に何かの力が有るのだろうか。

 いや、そうではない、俺の側に居る霊がその現象を起こしているのだ。つまり霊は、俺に対して何かのシグナルを送っているのだ。それならば、今日も何かのシグナルを送ってくるはず。そんな予感がして、目の前の鏡を眺めた。『何か起こる』

 そんな気配は少しも感じられなかった。何かが足りない、俺の中の何かが足りない。俺の側に居る人からのシグナルを受け取るときに俺は何かのアクションか、それとも自分自身の心理状態か、とにかく俺はその時通常の状態ではなくて、何かをしているのだ。

 ちょっと待てよ。今はそんな事を考えるよりも、俺を狙っている人物の事を考えるべきだ。先ほど俺を襲った人物は誰なのか……心当たりが有るに続く。

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助平なお-文章作成|イメージ画像